おろす」に傍線]というてきる[#「きる」に傍線]と言はない処に縁起がある如く、はやす[#「はやす」に傍線]と言ふのも、伐る事なのです。はなす[#「はなす」に傍線]・はがす[#「はがす」に傍線](がは鼻濁音)などゝ一類の語で、分裂させる義で、ふゆ[#「ふゆ」に傍線]・ふやす[#「ふやす」に傍線]と同じく、霊魂の分裂を意味してゐるらしいのです。此は、万葉集の東歌から証拠になる三つばかりの例歌を挙げる事が出来ます。
囃すと宛て字するはやす[#「はやす」に傍線]は、常に、語原の栄やす[#「栄やす」に傍線]から来た一類と混同せられてゐます。山の木をはやし[#「はやし」に傍線]て来るといふ事は、神霊の寓る木を分割して来る事なのです。さうして、其を搬ぶ事も、其を屋敷に立てゝ祷る事も、皆、はやす[#「はやす」に傍線]といふ語の含む過程となるのです。大和猿楽其他の村々から、京の檀那衆なる寺社・貴族・武家に、この分霊木を搬んで来る曳き物の行列の器・声楽や、其を廻つての行進舞踊は勿論、檀那家の屋敷に立てゝの神事までをも込めて、はやす[#「はやす」に傍線]・はやし[#「はやし」に傍線]と称する様になつたのだと
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