、年月づけも、元のまゝ) あいごの若(享保廿年正月。金平本) 初冠愛子若(同七月―八月。大阪沢村長十郎座) 曾我|※[#「しめすへん+我」、309−3]《モヤウ》愛護若松(明和六年三月。増山金八作か) 神※[#「けものへん+爰」、第3水準1−87−78]伝[#「神※[#「けものへん+爰」、第3水準1−87−78]伝」に白丸傍点](文化五年。小枝繁作。読本)
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此外助六狂言の天明以前の物は、大抵愛護若が這入つて居るものと思はれる。また尚一種「○○○[#「○○○」に「?」の注記]愛護稚松」と言ふ、助六とは別種の芝居があつたと記憶して居る。圈点を附けた五種の外は、まだ見る事が出来ぬ。但、角太夫の正本と、薩摩太夫の辛崎一本松とは、後に出た説経の「あいごのわか」と大同小異のものであらうし、時代も亦説経節が後れて出たとは言はれぬ。譬ひ八太夫の正本は、成立こそ遅れたとは言へ、愛護浄瑠璃の魁をした物と想像する理由がある。
天満八太夫が江戸に来て繁昌する以前の、上方説経節としての愛護[#(ノ)]若が、正本成立以前に、既に角太夫や薩摩太夫に採り入れられてゐたらう、と考へるのは無理で
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