祖先が、日吉の神の残された杖を立てたのが、化生したと言ふ(耀天記)伝へと直接関係があり、又、北野の一夜松原・息[#(ノ)]松原などの系をも加へてゐる。
四
此説経節の筋が、中心になつてゐる浄瑠璃・脚本・小説の類を調べて見る。わたしの読んで見、又名前だけを聞き知つてゐる物は、
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愛護若(角太夫の正本) 辛崎一本松(加賀門人富松薩摩正本) 愛護若都富士(元禄六年正月竹本座興行。辰松幸助作) 愛護若塒箱(紀海音) あいごのわか[#「あいごのわか」に白丸傍点](宝永五年正月・天満八太夫正本) 花館愛護桜(又、花館泰平愛護だともいふ。正徳三年四月。山村座) 愛護若名歌勝鬨[#「愛護若名歌勝鬨」に白丸傍点](宝暦三年五月。竹本座。半二・松洛等作) 信田小太郎世継鑑(宝暦三年七月。中村座助六狂言。評判記で愛護の糾ひまぜてあつた由が伺はれる) ※[#「子+盡」、309−1]《コダカラ》愛護曾我(宝暦五年正月。堀越二三治作か) 愛護若女筆始[#「愛護若女筆始」に白丸傍点](享保廿年正月。八文字舎本) 愛護若一代記[#「愛護若一代記」に白丸傍点](女筆始と同書。再刻。但
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