[#「だいがく」に傍線]に数多の提灯をとりつける様になつた起りを、ある年の住吉祭り(大阪中の祭礼として、夏祭りの一番終りに行はれる)に、住吉まで出向いただいがく[#「だいがく」に傍線]が、帰り途になつて日の暮れた為、臨時に緯《ヌキ》棒を括りつけて、其に提灯を列ねた時からだと説いて居る。
其はともかく、住吉祭りといふ事が、だいがく[#「だいがく」に傍線]と住吉踊りの傘鉾との関係を見せて居る様に思はれる。天幕に一重のも二重のもある点、竿頭にだし[#「だし」に傍線]のついてゐる点、すべてかの踊りの傘鉾を、※[#「竹かんむり/(目+目)/隻」、第4水準2−83−82]の上に竪てた物としか思はれぬ。熊野田《クマンダ》のがく[#「がく」に傍線]に近いだいがく[#「だいがく」に傍線]のひげこ[#「ひげこ」に傍線]が、形似の著しい傘鉾の形式をとり入れるとすれば、まづひげこ[#「ひげこ」に傍線]を天幕にすべきは当然である。其傘鉾の天幕も、元はひげこ[#「ひげこ」に傍線]であつた事は疑ひもない事実である。
だいがく[#「だいがく」に傍線]のひげこ[#「ひげこ」に傍線]は二重の上の方が大きくて、直径一丈で、
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