であつた。語を以て答へない時は、「ほ」を以て応じた。此は「ほ」が庶物の精霊の上にも、行はれるものと解したのである。此「ことゝひ」と「ほ」とは並行して、精霊により、又おなじ精霊でも時によつて、どちらかの方便をとつてゐる。
村々の生活が段々に進んで来るに連れて、今までの定期に臨み来る常世神以外に偶然に新来する神々が増しても来、村々の精霊を握つてゐる専任神職とも言ふ位置が確立して来る。其人の自覚によつて新しく尊い神々が殖えて行つた。
底本:「折口信夫全集 4」中央公論社
1995(平成7)年5月10日初版発行
※底本の題名の下には、「草稿」の表記があります。
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2009年10月31日作成
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