で蛇害を免れたと知り、山下の村の年貢でかの鼠を養わしめ、その村を迦蘭陀すなわち鼠村と付けたとある。また仏|成道《じょうどう》していまだ久しからず。六師の異端なお盛んに行われた時、栴遮摩那耆《せんしゃまなき》てふ女がその師に使嗾《しそう》されて、日々まじめ顔で仏の説法を聴きに通う内、腹に草を包み日々膨脹せしめ、後には木鉢を腹に繋《つな》いで臨月の体を示した。時にその師、仏の説法場に至り高声に、仏は大詐欺者だ。わがこの娘を私愛してかくボテレンに仕上げたと喚《わめ》き散らした。その時帝釈一の黄鼠と化して女の裾《すそ》にあり、鉢に繋いだ緒を咬《く》い切り鉢を地に落して仏の無罪を明らかにした(『菩薩処胎経』五)。南米のカリブ人最初天より地に降った時、カッサヴァや芭蕉など有用な植物は集って一大木に生じいた。獏《ばく》一番にこれを見付け、樹下に落る果実を飽くまで食って肥え太る。カリブ人ら何卒獏がどこで果実を拾うかを知らんと勉むれど知り得ず。まず啄木鳥《きつつき》に命じ探偵せしめた。しかるにこの鳥獏を蹤跡《しょうせき》する途中ちょっと立ち留って樹をつつくと虫が出る、それを食うと素敵に旨《うま》い。人間
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