象牙床、玻※[#「王+黎」、第3水準1−88−35]盞《はりさん》、百合香と。仏印曰く、推瀦水、※[#「やまいだれ+慊のつくり」、291−2]瘡腿、婦人陰、※[#「髟/胡」、291−3]子嘴と(『続開巻一笑』一)。ブラントームの『レー・ダム・ガラント』第二に、ある紳士が美人睡中露身を見て一生忘れず、居常讃嘆してわれ毎《つね》にこれを観想するのほかに望みなしといったとあるは、仏印の所想とすこぶる違う。さてその紳士その美人を娶れば娶り得るはずだったが、利に走る世の習い、その美人よりも富んでさほどの標緻《きりょう》を持たぬ女を妻《めと》ったとは、歎息のほかなし。
荘子は亀と同じく尾を泥中に曳《ひ》かんといったが、猪が多く食って泥中に眠るも気楽千万で、バウルスは豕を愛する甚だしく、上帝が造った物の中最も幸福なものは豕だといった。殊に太った豕ありと聞かば二十マイルを遠しとせず見に往った。生きた豕の愛が※[#「酉+奄」、第3水準1−92−87]豕肉にまで及んで、宴会に趣くごとに自製の※[#「酉+奄」、第3水準1−92−87]豕肉をポケットに入れ往き、クックに頼んで特に調味せしめた(サウゼイの『随
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