「南蛮人の月を見るさま」と時鶏の字を用い居る。
 古アテネで娼妓を牝鶏と綽名《あだな》した。これは婉転《えんてん》反側して男客を俟《ま》つの状に象《かたど》り、またカワセミと称えたは路傍に待ちいて客人を捉うるの手速きに拠ったのだ。それから昔尖塔の頂上に板を雄鶏に造って立て、僧徒にこの板が風に随うて動きやまぬごとく少しも懈《おこた》らぬよう訓《おし》えたとジュカンシュは言ったが、グラメー説には、塔頂に十字架に添えて鶏の形を設くるは、ゴット人が雄鶏の武勇にあやかるためこれを軍旗とした遺風という。今は塔上に限らず、民家の屋根にも風見の鉄板を立てるを、鶏の形をせざるになお天気鶏(ウェザー・コック)と呼ぶは右の訳である(ハズリット、二巻六二六頁、ウェブストルの大字書)、欧州で昔カワセミの嘴《くちばし》を括《くく》って全身を掛け置くと、その屍が風の方角を示すと信ぜられ、英国のサー・トマス・ブラウンが実験したところ一向不実と知れた(ブ氏の『俗説弁惑』三巻九章)。
 野生の鶏種々あるがまずは四種とする。英語で総称してジャングル・ファウル(藪鶏)と呼ぶ。第一赤藪鶏は疑いなく一切家鶏の原種で、前インドより
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