り。ある時村へ穢《きたな》い貧僧来るをこの寺へ泊まらせる。平気で読経し居ると、丑《うし》三つ頃、表の戸を敲《たた》きデンデンコロリ様はお内にかという者あり。中より誰ぞと問う声に応じ、東山の馬骨と答え、今晩は至極好い肴《さかな》あるそうで結構でござると挨拶して通る。次は南水のきぎょ、西竹林の三けいちょうと名乗りて入り来り、三怪揃うて僧に飛び掛かるを、少しも動ぜず経を読んで引導を渡すと化物消え失せる。翌朝村人僧の教えのままに、馬頭と金魚、および三足鶏の屍を見出し、また寺の乾《いぬい》の隅《すみ》の柱上より槌《つち》の子を取り下ろす。この槌の子がもっとも悪い奴で、他の諸怪を呼んだのだ。槌の子を乾の隅に置くと怪をなすという。『曾呂利《そろり》物語』四には伊予の出石《いずし》の山寺で足利の僧が妖怪を鎮めたとし、主怪をえんひょう坊、客怪をこんかのこねん、けんやのばとう、そんけいが三足、ごんざんのきゅうぼくとす。円瓢坊は円い瓢箪《ひょうたん》、客怪は坤河《こんが》の鯰《なまず》、乾野の馬頭、辰巳《たつみ》の方の三足の蛙、艮山《ごんざん》の朽木とその名を解いて本性を知り、ことごとく棒で打ち砕いて妖怪を
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