はシマンタムバ、この者ソグノ伯が新王擁立の力あるを以て、請うてその女を娶《めと》り、伯|佯《いつわ》ってこれを許し、娘と王冠を送るを迎えた途中で掩殺《えんさつ》さる。シマンタムバの弟軍を起し、ソグノ伯領の大部分を取り、伯これを恢復せんとて大兵を率い敵の都へ打ち入るに、住民皆逃げて抗する者なし。伯の軍勢空腹を医するため飲食を掠《かす》むる内、常より大きな雄鶏、一脚に大鉄環を貫けるを見、これは魔物故食わぬがよいと賢人の言に従わず、打ち寄せて殺し、裂き煮て食いに掛かると、ほとんど溶けいた鶏肉片が動き出し、合併して本の鶏となり、壁に飛び上ると新羽一斉に生え、更に樹に上って三度翼を鼓し怖ろしい声で鳴いて形見えずなった。さてこそ魔物と一同震慄した。シマンタムバ常に一大鶏を畜《か》い、その鳴く声と時刻を考え、事ごとに成敗を知ったと聞くが、それも無効と見えてソグノ伯に紿《あざむ》き殺された。今度の妖鶏はその鶏であろうかとある(ピンカートンの『海陸紀行全集』一六巻二三八頁)。
支那でも雲南の光明井に唐の大歴間、三角牛と四角羊と鼎足鶏|見《あら》われ、井中火ありて天に燭《しょく》す。南詔以て妖となし、こ
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