の弊を論じた者多ければ、いわゆる薬なくして常に中医を得るで、なくて済む人は用いぬに限る。
東洋にヒッポマネスの話ありやとの問いに応じ調べると、蒙古人大急用の節、十日も火食せずに乗り続く。その間ただ乗馬の静脈を開き迸《ほとばし》り出づる血を口中に受け、飲み足りて血を止むるのみ、他の飲食なしに乗り続け得(ユールの『マルコ・ポロ』初版一巻二二九頁)。こんな奇効ある故か、道家に尹喜《いんき》穀を避けて三日一たび米粥を食い白馬血を啜《すす》り(『弁正論』二)、黄神甘露を飲み※[#「馬+巨」、424−15]※[#「馬+墟のつくり」、424−15]《きょきょ》の脯《ほじし》を食うという。これは牡馬が牝騾に生ませた子で、牡馬と牝※[#「馬+墟のつくり」、424−15]《ひんきょ》の間《あい》の子《こ》たる※[#「馬+夬」、第4水準2−92−81]※[#「馬+是」、第4水準2−92−94]《けってい》(上出の通り燕王が蘇秦に食わせた物)と等しく至極の美味と見える。これらのほかに霊薬を馬より取る事道書に見えぬようだ。
一昨年(大正五年)十二月の『風俗』に、林若樹君が「不思議な薬品」てふ一文を出し、本邦
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