ンとは古老の説に、非道交会を昔の芝居者などが数うるに、一トン取る二トン取るといったそうだから、南米にあるてふ男色蛇《ソドマイト・スネーク》と同義の名らしい。果してそんな水蛇が日本にあるなら、国史に見えた※[#「虫+礼のつくり」、第3水準1−91−50]《みづち》、今も里俗に伝うる河童は、本《もと》かようの水蛇から生じた迷信だろうという意を述べ置いたところ、旅順要港部司令官黒井将軍より来示に、自分は両国の橋の上に御大名が御一人|臥《のさ》って御座ったてふ古い古い大津絵節《おおつえぶし》に、着たる着物は米沢でとある上杉家中に生まれた者で出羽の事を熟《よく》知るが、かの地にトウシ蛇という、小形で体細く薄黒く川を游ぐものをしばしば見た。而《しか》して自分らの水游ぎを戒むるとて、母が毎《いつ》も通し蛇が水游ぐ児の肛門より入りてその腸を食い、前歯を欠いて口より出ると言うを聞き怖《お》じた。一度もその事実を見聞した事なきも、水死の尸は肛門開くもの故、水蛇に掘られたであろうと思うて、言い出したものか。トウシ蛇とは肛門より腹中へ通し入るの義らしく、トウシをトシと略書したるを、かの書にトンと誤写せるにあら
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