一群を除き、残った諸群の足あるものを竜、足なきを蛇とし居る。アリストテレスが爬虫を有鱗卵生四足(亀と蜥蜴)、卵生無足(蛇)、無鱗卵生四足(蛙の群)に別ったに比して、亀と蛙を除外しただけ分類法が劣って居るが、欧州でも近世まで学者中に獣鳥魚のほか一切の動物を虫と呼び通した例すらあれば、それに比べて『綱目』の竜蛇を魚虫より別立し、足の有無に拠って竜類すなわち蜥蜴群と蛇群を分けたは大出来で、その後本邦の『訓蒙図彙』等に竜は鱗虫の長とて魚類に、蛇は字が虫篇|故《ゆえ》蝶蠅などと一つに虫類に入れたは不明の極だ。さて支那にも僧など暇多い故か、観察の精《くわ》しい人もあって、後唐の可止てふ僧托鉢して老母を養い行《ある》きながら、青竜疏《せいりょうそ》を誦する事|三載《みとせ》、たちまち巨蟒《うわばみ》あって房に見《あらわ》る。同院の僧居暁は博物《ものしり》なり、曰く蛇の眼は瞬《またた》かぬにこの蟒《うわばみ》の眼は動くから竜だろうと、止香を焚《た》いて蟒に向い、貧道《それがし》青竜疏を念ずるに、道楽でなく全く母に旨《うま》い物を食わせたい故だ、竜神|何卒《なにとぞ》好《よ》き檀越《だんおつ》に一度逢わ
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