た原話は『今昔物語』十六の第十五語だ。概略を述べると今は昔京に年若き男貧しくて世を過すに便なかりしが、毎月十八日に持斎して観音に仕え百寺に詣る事年来なり、ある年九月十八日に例のごとく寺々に詣るに南|山階《やましな》辺へ行く道の山深き所で五十ばかりなる男一尺ばかりなる小蛇を杖の先に懸け行くを見子細を尋ぬると、われは年来|如意《にょい》と申す物を造るため牛角を伸ぶるにかかる小蛇の油を取ってするなり、若き男その如意は何にすると問うた、知れた事だお飯《まんま》と衣のために売るのだと答う、若き男小蛇を愍《あわれ》み種々押問答の末ようやく納得させ、自分の着たる綿衣に替えて小蛇を受け、この蛇は何処《どこ》に在ったかと問いかの小池に持ち行き放ち、さて寺へ行こうと二町ほど過ぎると十二、三ばかりの女形美なるが微妙の衣袴を着たるに逢う、その女いわくわが父母君がわが命を助けくれた恩を謝せんとて迎えにわれを使わしたとて池の方へ伴《つ》れて行き、暫《しばら》く待ちたまえとてたちまち失《う》せぬ、さて出て来て暫く眼を閉じよという、教えのままに眠入《ねい》ると思うほどに目を開けという、目を開けて見れば微妙《めでた》く
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