フ事と心得た人が多いが、予が『東京人類学会雑誌』二九一号三二五頁に述べたごとく全く狐と別で英語でいわゆるジャッカルを指《さ》す、梵名スリガーラまたジャムブカ、アラブ名シャガール、ヘブライ名シュアルこれらより転訛して射干また野干と音訳されただろう、『松屋筆記』六三に「『曾我物語』など狐を野干とする事多し、されど狐より小さきものの由『法華経疏』に見ゆ、字も野※[#「※」は「むじなへん+干」、57−4]と書くべきを省きて野干と書けるなり云々、『大和本草』国俗狐を射干とす、『本草』狐の別名この称なし、しかれば二物異なるなり」といい、『和漢三才図会』にも〈『和名抄』に狐は木豆弥《キツネ》射干なり、関中呼んで野干と為《な》す語は訛なり、けだし野干は別獣なり〉と記す、※[#「※」は「むじなへん+干」、57−7]の音岸また※[#「※」は「りっしんべん+干」、読みは「かん」、57−7]、『礼記』玉藻篇に君子|※[#「※」は「鹿+弭を上下に組み合わせる」、57−7]裘青※[#「※」は「むじなへん+干」、57−8]褒《べいきゅうせいかんのたもと》、註に胡地の野犬、疏に〈一解に狐犬に作る〉、狐に似た犬の意だろ
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