qの好侶と思い翻してこれを乳育《そだつ》る、牝獅帰って子が失せたるに驚き、探り行きて牝虎が乳呑ませ居るところへ来ると、大いに愕き逃げ出すを牝獅が呼び止め何と爾今《じこん》一処に棲んで※[#「※」は「にんべん+爾」、54−11]《なんじ》が不在には我が※[#「※」は「にんべん+爾」、54−11]の児を守り我不在にはわが児を※[#「※」は「にんべん+爾」、54−11]に託する事としようでないかというと、虎も応諾して同棲し、獅児を善牙、虎の児を善搏と号《な》づけ生長する内、母獣|両《ふたつ》ながら病んで臨終に両児を戒め、汝らは同じ乳を吸うて大きくなったから同胞に等し、世間は讒人で満ち居るから何分讒言に中《あ》てられぬよう注意せよと言って死んだ、善牙獅|毎《いつ》も※[#「※」は「鹿+章を上下に組み合わせる」、54−14]《ガゼル》を殺すと肉を啖い血を啜《すす》って直ちに巣へ帰ったが、善搏虎は※[#「※」は「鹿+章を上下に組み合わせる」、54−15]を殺すに疲るる事夥しく血肉を啖いおわって巣へ帰るに長時間を費やした、因って残肉を蔵《かく》し置き一日それを※[#「※」は「くちへん+敢」、54−1
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