ォ》を見て向う所を占う(アイモニエー『柬埔寨人風俗迷信記《ノート・シユル・レ・クーツーム・エ・クロヤンス・スペルスチシヨース・デ・カンボジヤン》』)。虎はなかなか占いが好きで自ら占うのみならず、人にも聞いた例、『捜神後記』に曰く、丹陽の沈宗卜を業とす、たちまち一人|皮袴《かわばかま》を著《き》乗馬し従者一人添い来って卜を請う、西に去って食を覓《もと》めんか東に求めんかと問うたんで、宗|卦《け》を作《な》し東に向えと告げた。その人水を乞うて飲むとて口を甌中に着け牛が飲むごとし。宗の家を出て東に百余|歩行《ある》くと、従者と馬と皆虎となりこれより虎暴非常と。『梁典』に曰く、〈斉の沈僧照かつて校猟し中道にして還る、曰く、国家に辺事あり、すべからく処分すべしと。問う、何を以てこれを知ると、曰く、さきに南山の虎嘯を聞きて知るのみと、俄《にわか》に使至る〉。これは人が虎|嘯《うそぶ》くを聞いて国事を卜《うらの》うたのだ。防州でクマオに向って旅立ちすると知って出たら殺され知らずに出たら怪我《けが》するとてその日を避ける。船乗り殊に忌む。クマオは子辰申の日が北でそれから順次右へ廻る。その日中に帰るなら
前へ 次へ
全132ページ中110ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
南方 熊楠 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング