経営の秩序正しい機械のように正確な運営を可能ならしめるためには、一方において経営内部の規律を確保するための行為規範体系を必要とすると同時に、他方ではかかる規律に堪え得るように訓練された官僚的の勤務者群を必要とする。即ち、経営の内部秩序それ自身が極めて法律的であって、すべてがあらかじめ定められた行為規範によって秩序正しく行動することが要求される。
(2)[#「(2)」は縦中横] 資本主義的経営が合理的資本計算によってのみ可能であるように、司法・行政等の国家機能も、あらかじめ定められた法規範に従ってすべて結果を予見し得るように正確に運営されることが必要で、それには、その運営に当る官僚群が、かかる目的に従って規律正しい活動をなし得るように特別に訓練されることが必要である。即ち、法治主義的の司法や行政に信頼してのみ近代資本主義的の経営は可能である。
(3)[#「(3)」は縦中横] 従って、団体と団体との関係、人と人との関係も、すべてあらかじめ定められた法規範によって「結果を予見し得るように」規律されていることが必要で、これあるによってのみ、近代社会の基礎である自由主義的秩序が可能であり、か
前へ
次へ
全35ページ中12ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
末弘 厳太郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング