スだ多少「論理」と「手練」とを習得せしめることができよう。けれども、かくして得た「法」は真の「法」ときわめて縁遠いものだといわねばなりません。
 私は、この春から大学でケース・メソッドによって法学教育を始めました。それは今多くの人々によって問題にされています。けれども、それは決して従来のいわゆる演習(Praktikum)というような意味ではなく、私はこれによってのみ真に「活きた法律」「一定の法則をもって伸縮する尺度としての法」を教えることができるのだと考えています。[#地から1字上げ](一九二二・六・五)



底本:「役人学三則」岩波現代文庫、岩波書店
   2000(平成12)年2月16日第1刷発行
初出:「改造」
   1922(大正11)年7月号
入力:sogo
校正:染川隆俊
2007年11月19日作成
2008年4月9日修正
青空文庫作成ファイル:
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