いて、その銀行の生きた看板になっていた。彼は、使いに行っている時の他《ほか》は、営業時間中にはそこにいないことは決してなかった。そして、その使いに行っている時には、彼の倅《せがれ》が彼の代理をした。彼にそっくり生写《いきうつ》しの、十二歳になる、人相の悪い腕白小僧だ。世間の人々は、テルソン銀行が大まかなやり方でその雑役夫を使ってやっているのだということを承知していた。その銀行はいつも誰かしらそういう資格の人間を使ってやっていたのであって、歳月がこの人間をその地位に運んで来たのである。彼の姓はクランチャーといって、幼少の頃に、ハウンヅディッチ★の東教区教会で、代理人を立てて悪行を棄てると誓った時に★、ジェリーという名を附け加えてもらっていた。
 場面は、ホワイトフライアーズ★のハンギング・ソード小路《アレー》におけるクランチャー氏の私宅であった。時は、|わが主の紀元《アノー・ドミナイ》千七百八十年、風の強い三月のある日の朝、七時半。(クランチャー氏自身はわが主の紀元のことをいつもアナ・ドミノーズと言っていた。キリスト紀元なるものはあの一般に流行している遊びの発明された時から始っているので
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