リーについての言葉などと共に、後(第二巻第十四章)になってわかるのである。
テムプル 中世紀の聖堂騎士団の殿堂の遺趾のあるところ。フリート街の南にある一区劃。「テムプル」は「聖堂」の意味。テムプル関門はここにあった。テムプルには、有名な内テムプル、中央テムプルの二法学会院があり法律関係の人々が多くいる。
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〔第二章 観物〕
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オールド・ベーリー 往時のロンドンの中央刑事裁判所、あるいは中央法廷のこと。旧ロンドン市の外壁のところにあったので「オールド・ベーリー」と言われる。「旧外壁」の意味である。フリート街の東北に当るニューゲート街のニューゲート監獄の近くにあった。
四つ裂き 叛逆罪で処刑された人間の体は四つに切断して、その各部分を諸所の都市に分配して曝し、他の犯罪者に対する見せしめとしたのであった。
タイバーン 今のハイド公園の近くにあったロンドンの往時の処刑場。一七八三年すなわちこの時より三年後までここで処刑が行われ、それから処刑はニューゲートの監獄に移されたのである。
二マイル半ばかりは………… オールド・ベーリーから処刑場のタイバーンまでの道程は二マイル半ほどあった。「他界への[#「他界への」に傍点]非業の旅」と言っても、その二マイル半だけは天下の公道を通って行くのである。
架刑台 往時罪人の頸と手とを板の間に挟んで立たせて街上に曝した刑具。その罪人を見物して笑い物にする見物人は、往々それに投石して負傷させたことがあった。ゆえに、次の文章にあるように、その刑罰の程度を予知することが出来なかったと言うのである。
笞刑柱 罪人を笞つ時にその人間を縛りつける柱。
殺人報償金 死に当る大罪人を告発したり、主人や恩人などを敵に売って殺させたりした報酬として受ける金。
ベッドラム ロンドンの古くからの有名な瘋癲病院。「ベッドラム」はベスリヘム(ベツレヘム)の転訛。もと修道院であったが後に精神病院となったロンドンのセント・メアリー・オヴ・ベスリヘムを略してベッドラムと言ったのである。以前はロンドン名所の一であって、入場料を取って見物人を入れていた。
社会の戸口だけは………… 社会が犯罪人を生んで盛んに法廷へ送り込んだことをさす。
網代橇 昔、叛逆者、死刑囚などをそれに載せて縛りつけて刑場へ曳いて行った網代の枠のようなもの。
フランス国王リューイスが……なせる戦争 「リューイス」は「ルイ」を英語風に言った名であって、ここではルイ十六世をさす。一七七五年にアメリカ独立戦争が始り、一七七八年にルイ十六世はアメリカ合衆国を承認し、その支援に軍隊と艦隊とを送って、イギリスと交戦状態に入った。その状態は一七八三年まで続いていたのである。
大洋がいつかはその中に沈んでいる死者を………… 新約全書ヨハネ黙示録第二十章第十三節に「海その中の死人を出し‥‥彼等おのおのその行いに循いて審判《さばき》を受けたり。」とあることから言ったのである。
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〔第三章 当外れ〕
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君はかつて………… 以下、被告の弁護士が相手方の証人のジョン・バーサッドに向って質問をするのである。すなわち対質訊問をするのである。
階段から蹴落されたこと 何か不正なことなどをして家から蹴出され放逐されることを意味する。
ブーローニュ カレーの西南にある、やはりドーヴァー海峡に面したフランスの海港。
ジョージ・ウォシントンは歴史上ジョージ三世と………… ジョージ三世は第一巻の註に記したように当時のイギリス国王である。後に合衆国の初代の大統領となったジョージ・ウォシントン(一七三二―一七九九)は当時アメリカ軍の総指揮官であって、独立戦争開戦以来各地に転戦していた。
対質訊問 相手方のために召喚されて調べられる証人に対して反問すること。
呪うべきユダ 銀三十枚を得てキリストを売りユダヤの有司に渡して磔にさせたイスカリオテのユダ。
指の節を額に触れる 尊敬または認知のしるしである。
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〔第四章 祝い〕
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バスティーユ 往時パリーにあった有名な牢獄。主として国事犯罪人を収容した。一七八九年フランス革命が起ると同時に民衆に破壊されたことは普く知られている。サン・タントワヌ門の傍にある。マネット医師はこの牢獄に監禁されていたのである。
彼の顔はダーネーをひどく詮索的な眼付で………… マネット医師がチャールズ・ダーネーの顔に何を認めてこのような表情をしたのかは、この物語の終り近く(第三巻第十章)にならなければ判明しない。
放免された囚人の友人たち 当日の法廷の
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