うとしても手に着かなかったりした。そして、(傍で)遊んでいる子供達の声を平気で聞いていられないほど苛々していたからである。
やっと待ち焦れていた戸を敲く音が聞えた。彼女は急いで入口に彼女の良人を迎えた。良人と云うのは、まだ若くはあるが、気疲れで、滅入り切ったような顔をした男であった。が、今やその顔には著しい表情が現われていた、自分ながら恥かしいことに思って、抑えようと努めてはいるが、どうも圧え切れないような、容易ならぬ喜びの表情であった。
その男は炉の側《はた》に自分のためにとて蓄《と》って置かれてあった御馳走の前に腰を下ろした。それから彼女がどんな様子かと力なげに訊いた時に、(それも長い間沈黙していた後で、)彼は何と返辞をしたものかと当惑しているように見えた。
「好かったのですか」と、彼女は相手を助けるように云った。「それとも悪いのですか。」
「悪いんだ」と、彼は答えた。
「私達はすっかり身代限りですね?」
「いや、まだ望みはあるんだ、キャロラインよ。」
「あの人の気が折れれば」と、彼女は意外に思って云った、「望みはありますわ! 万一そんな奇蹟が起ったのなら、決して望みのない訳で
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