本当に可笑しな人よ!」
 スクルージの甥はまた夢中になって笑いこけた。そして、その感染を防ぐことは不可能であったので――肥った方の妹などは香気のある醋酸でそれを防ごうと一生懸命にやって見たけれども――座にある者どもは一斉に彼のお手本に倣った。
「僕はただこう云おうと思ったのさ」と、スクルージの甥は云った。「あの人が僕達を嫌って、僕達と一緒に愉快に遊ばない結果はね、僕が考えるところでは、些《ちっ》ともあの人の不利益にはならない快適な時間を失ったことになると云うのですよ。確かにあの人は、あの黴臭い古事務所や、塵埃だらけの部屋の中に自分一人で考え込んでいたんじゃ、とても見附けられないような愉快な相手を失っていますね。あの人が好《す》こうが好くまいが、僕は毎年こう云う機会をあの人に与える積りですよ。だって僕はあの人が気の毒で耐らないんですからね。あの人は死ぬまで聖降誕祭を罵っているかも知れない。が、それについてもっと好く考え直さない訳にゃ行かないでしょうよ――僕はあの人に挑戦する――僕が上機嫌で、来る年も来る年も、『伯父さん、御機嫌はいかがですか』と訪ねて行くのを見たらね。いや、あの憐れな書記
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