らっしゃるね、もし貴方」と、彼は甥の方へ振り向いて附け足した。「貴方が議会へお出にならないのは不思議だよ。」
「そう怒らないで下さい、伯父さん。いらっしゃいよ、私どもの宅で一緒に食事をしましょうよ。」
 スクルージは、自分は相手が地獄に落ちたのを見たいものだと云った、実際彼はそう云った。彼はその言葉を始めから終いまで漏さず云ってしまった。そして、(自分がお前の宅へ行くよりは)先ずお前がそう云う怖ろしい目に遭っているのを見たいものだと云った。
「だが、何故です?」スクルージの甥は叫んだ。「何故ですよ?」
「お前はまた何故結婚なぞしたのだ?」と、スクルージは訊いた。
「あの女を愛したからでさ。」
「愛したからだと!」と、世の中にお目出たい聖降誕祭よりも、もっと馬鹿々々しいものはこれ一つだと云わんばかりに、スクルージは唸った。
「では左様なら!」
「いや、伯父さん、貴方は結婚しない前だって一度も来て下すったことはないじゃありませんか。何故今になってそれを来て下さらない理由にするんですよ?」
「左様なら」と、スクルージは云った。
「私は貴方に何もして貰おうと思っちゃいませんよ。何も貰おうと思っ
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