闊ヘみ、私がちょっとでも身動きしようものなら、すぐ取り押えようとしていました。翌朝、日が上ると、車はまた進みだしました。そして正午頃、車は都の近くにやって来ました。皇帝も、大臣も、みんな出迎えました。皇帝が私の身体の上にのぼってみたがるのを、それは危険でございます、と言って、大臣たちはとめていました。
ちょうど、車が停まったところに、この国で一番大きい神社がありました。こゝは前に、何か不吉なことがあったので、今では祭壇も取り除かれて、中はすっかり空っぽになっていました。この建物の中に、この私を入れることになったのです。北に向いた門の高さが約四フィート、幅は二フィートぐらい、こゝから、私は入り込むことができます。私の左足は、錠前でとめられ、左側の窓のところに、鎖でつながれました。
この神社の向側に見える塔の上から、皇帝は臣下と一しょに、この私を御見物になりました。なんでも、その日、私を見物するために、十万人以上の人出があったということです。それに、番人がいても、梯子をつたって、この私の身体にのぼった連中が、一万人ぐらいはいました。が、これは間もなく禁止され、犯したものは死刑にされるこ
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