トたものです。
相手も、びっくり仰天、たちまち、逃げてしまいました。あとで聞いてわかったのですが、そのとき、私の脇腹から地面に飛びおりるひょうしに、四五人の怪我人も出たそうです。
しかし彼等はすぐ引っ返して来ました。一人が、何か鋭い声で訳のわからぬことを叫ぶと、他の連中が、それを繰り返します。私はどうも気味が悪いので、逃げようと思い、もがいてみました。と、うまく左手の方の紐が切れたので、ついでに、ぐいと頭を持ち上げて、髪の毛をしばっている紐も、少しゆるめました。これで、どうやら首が動くようになったので、相手をつかまえてやろうとすると、小人はバタ/\逃げ出してしまうのです。
そのとき、大きな号令とともに、百幾本の矢が私の左手めがけて降りそゝいで来ました。それはまるで針で刺すようにチク/\しました。そのうちに矢は顔に向って来るので、私は大急ぎで左手で顔をおゝい、ウン/\うなりました。逃げようとするたびに、矢の攻撃はひどくなり、中には、槍でもって、私の脇腹を突きに来るものもあります。私はとう/\、じっと、こらえていることにしました。そのうち夜になれば、わけなく逃げられるだろうと考えたの
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