ェ馬を躍《おど》らしてヒラリと跳び越えます。大きな馬に打ち乗って、私の片足を靴ごと跳び越えるのもいます。これは実に見事なものでした。
 ある日、私は非常に面白い余興をして見せて、皇帝にひどく喜ばれました。まず私は、皇帝に、長さ二フィート、太さ普通の杖ほどの棒を取り寄せていたゞきたい、と願い出ました。すると皇帝は、すぐ山林官に命じられたので、翌朝、六人の樵夫が六台の荷車を、それ/″\、八頭の馬に引かせてやって来ました。
 私は九本の棒を取って、二フィート半の正方形ができるように、地面に打ち込みました。それから四本の棒を、二本ずつ平行に並べて、地面から二フィートばかりのところで、四隅を結びつけました。そして今度は、ハンカチを九本の棒にしばりつけ、これを太鼓の皮のように、ピンと張りました。すると横に渡した四本の棒は、ハンカチより五インチばかり高くなったので、これはちょうど、欄干の代りになりました。これだけ用意が出来たので、私は皇帝に申し上げました。
「騎兵の馬二十四騎を、この野原の上でひとつ走らせてお目にかけましょう。」
 皇帝はこの申し出にすぐ賛成されました。
 私は、武装した乗馬兵を馬と
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