lは人目につかない場所にそっと葬られます。臨終だといって、誰も悲しんだりするものはありません。死んでゆく本人でさえ、ちょっとも悲しそうな顔はしていないのです。
 彼等は大てい、七十か七十五まで生きます。たまには八十まで生きるものもいます。死ぬ二三週間前になると、だん/\身体が弱ってきますが、別につらくはないのです。そうなると、友達が次々に訪ねて来ます。つまり、気楽にちょっと外出するようなことができないからです。いよ/\死ぬ十日前頃には、今度は橇《そり》に乗って、ヤーフどもに引かせて、ごく近所の人たちだけに答礼に出かけてゆきます。彼は答礼先へ着くと、まず、お別れの挨拶をのべるのですが、それはまるで、どこか遠いところへ旅行するときの別れのような恰好なのです。
 私は、主人の家から六ヤードばかり離れたところに、自分の室を一つ作らせてもらいました。
 壁は自分で塗り、床には自分で作った筵《むしろ》を敷きました。この国には麻が多いので、それを打って、蒲団のおゝいを作り、その中に鳥の羽毛を詰めました。骨の折れる仕事は子馬に手伝ってもらい、小刀で椅子を二つこしらえました。服が擦り切れると、これは兎の
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