なる誠を吐きて、世をも身をも忘れし自白なるを。事若し誤らば、この手証は生ながら葬らるべき罪を獲《う》るに余有るものならずや。さしも覚悟の文ながら、彼はその一通の力を以て直《ただち》に貫一の心を解かんとは思設けざりき。
故《ゆゑ》に幾日の後に待ちて又かく聞えしを、この文にもなほ験《しるし》あらずば、彼は弥増《いやま》す悲《かなしみ》の中に定めて三度《みたび》の筆を援《と》るなるべし。知らずや、貫一は再度の封をだに切らざりしを――三度《みたび》、五度《いつたび》、七度《ななたび》重ね重ねて十《と》百通に及ばんとも、貫一は断じてこの愚なる悔悟を聴かじと意《こころ》を決せるを。
静に臥《ふ》したりし貫一は忽ち起きて鞄を開き、先づかの文を出《いだ》し、※[#「※」は「火+卒」、337−9]児《マッチ》を捜《さぐ》りて、封のままなるその端《はし》に火を移しつつ、火鉢《ひばち》の上に差翳《さしかざ》せり。一片の焔《ほのほ》は烈々《れつれつ》として、白く※[#「※」は「風+昜」、337−10]《あが》るものは宮の思の何か、黒く壊落《くづれお》つるものは宮が心の何か、彼は幾年《いくとせ》の悲《かなし
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