やうにと有仰《おつしや》つて、お名前を伺つても、学校の友達だと言へば可い、とさう有仰《おつしや》つてお帰りになりました」
「学校の友達?」
臆測《おしあて》にも知る能《あた》はざるはこの藪《やぶ》から棒の主《ぬし》なり。
「どんな風の人かね」
「さやうでございますよ、年紀《としごろ》四十ばかりの蒙茸《むしやくしや》と髭髯《ひげ》の生《は》えた、身材《せい》の高い、剛《こは》い顔の、全《まる》で壮士みたやうな風体《ふうてい》をしてお在《いで》でした」
「…………」
些《さ》の憶起《おもひおこ》す節《ふし》もありや、と貫一は打案じつつも半《なかば》は怪むに過ぎざりき。
「さうして、まあ大相横柄な方なのでございます」
「明日《あした》三時頃に又来ると?」
「さやうでございますよ」
「誰《たれ》か知らんな」
「何だか誠に風の悪さうな人体《にんてい》で御座いましたが、明日《みようんち》参りましたら通しませうで御座いますか」
「ぢや用向は言つては行かんのだね」
「さやうでございますよ」
「宜《よろし》い、会つて見やう」
「さやうでございますか」
起ち行かんとせし老婢は又居直りて、
「それから
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