の袴《はかま》の焼海苔《やきのり》を綴《つづ》れる如きを穿《うが》ち、フラネルの浴衣《ゆかた》の洗ひ※[#「※」は「日+麗」、287−14]《ざら》して垢染《あかぞめ》にしたるに、文目《あやめ》も分かぬ木綿縞《もめんじま》の布子《ぬのこ》を襲《かさ》ねて、ジォンソン帽の瓦色《かはらいろ》に化けたるを頂き、焦茶地の縞羅紗《しまらしや》の二重外套《にじゆうまわし》は何《いつ》の冬|誰《た》が不用をや譲られけん、尋常《なみなみ》よりは寸の薄《つま》りたるを、身材《みのたけ》の人より豊なるに絡《まと》ひたれば、例の袴は風にや吹断《ふきちぎ》れんと危《あやふ》くも閃《ひらめ》きつつ、その人は齢《よはひ》三十六七と見えて、形※[#「※」は「やまいだれ+瞿」、287−17]《かたちや》せたりとにはあらねど、寒樹の夕空に倚《よ》りて孤なる風情《ふぜい》、独《ひと》り負ふ気無《げな》く麗《うるはし》くも富める髭髯《ひげ》は、下には乳《ち》の辺《あたり》まで※[#「※」は「參+毛」、288−2]々《さんさん》と垂れて、左右に拈《ひね》りたるは八字の蔓《つる》を巻きて耳の根にも※[#「※」は「しんにょう+台
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