ん》たるのみ。
「ああ、さうですか、間が遣《や》られたのですか」
「ああ、間が可哀《かあい》さうにねえ、取んだ災難で、大怪我をしたのだよ」
「どんなです、新聞には余程|劇《ひど》いやうに出てゐましたが」
「新聞に在る通だけれど、不具《かたは》になるやうな事も無いさうだが、全然《すつかり》快《よ》くなるには三月《みつき》ぐらゐはどんな事をしても要《かか》るといふ話だよ。誠に気の毒な、それで、阿父《おとつ》さんも大抵な心配ぢやないの。まあ、ね、病院も上等へ入れて手宛《てあて》は十分にしてあるのだから、決して気遣《きづかひ》は無いやうなものだけれど、何しろ大怪我だからね。左の肩の骨が少し摧《くだ》けたとかで、手が緩縦《ぶらぶら》になつて了《しま》つたの、その外紫色の痣《あざ》だの、蚯蚓腫《めめずばれ》だの、打切《ぶつき》れたり、擦毀《すりこは》したやうな負傷《きず》は、お前、体一面なのさ。それに気絶するほど頭部《あたま》を撲《ぶた》れたのだから、脳病でも出なければ可いつて、お医者様もさう言つてお在《いで》ださうだけれど、今のところではそんな塩梅《あんばい》も無いさうだよ。何しろその晩内へ舁込
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