る真珠は焚《も》ゆる如く輝きぬ。塵《ちり》をだに容《ゆる》さず澄みに澄みたる添景の中《うち》に立てる彼の容華《かほばせ》は清く鮮《あざやか》に見勝《みまさ》りて、玉壺《ぎよくこ》に白き花を挿《さ》したらん風情《ふぜい》あり。静緒は女ながらも見惚《みと》れて、不束《ふつつか》に眺入《ながめい》りつ。
 その目の爽《さはやか》にして滴《したた》るばかり情《なさけ》の籠《こも》れる、その眉《まゆ》の思へるままに画《えが》き成せる如き、その口元の莟《つぼみ》ながら香《か》に立つと見ゆる、その鼻の似るものも無くいと好く整ひたる、肌理濃《きめこまやか》に光をさへ帯びたる、色の透《とほ》るばかりに白き、難を求めなば、髪は濃くて瑩沢《つややか》に、頭《かしら》も重げに束《つか》ねられたれど、髪際《はへぎは》の少《すこし》く打乱れたると、立てる容《かたち》こそ風にも堪《た》ふまじく繊弱《なよやか》なれど、面《おもて》の痩《やせ》の過ぎたる為に、自《おのづか》ら愁《うれはし》う底寂《そこさびし》きと、頸《えり》の細きが折れやしぬべく可傷《いたはし》きとなり。
 されどかく揃《そろ》ひて好き容量《きりよう》
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