も、鉢の中に生き残ってるのは、紅蓮であろうか、白蓮であろうか、または普通の食用蓮であろうか、或はその三つ共であろうか。それはこの夏花の開く折の楽しみとしておいて、私はうららかな春日のさす縁側に蹲って、庭の蓮鉢の方へ眼をやりながら、フランスの友人が贈ってくれた、蓮の花弁で巻いた香り高い煙草を、心静かにくゆらすのである。



底本:「豊島与志雄著作集 第六巻(随筆・評論・他)」未来社
   1967(昭和42)年11月10日第1刷発行
入力:tatsuki
校正:門田裕志
2005年12月7日作成
青空文庫作成ファイル:
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