に消滅せられる運命に在るのだ。而もその仮象によって得た子供だけが、仮象の女の手の中に、私自身の血を享けて現実に残るのだ。私は恐ろしくなった。
私は間違っていたのだろうか? どの点が間違っていたのだろうか?……私の心は何処にも安住出来ずに、永久に彷徨し続けるの外はなかった――徒らに「理想の女」を追い求めながら。
底本:「豊島与志雄著作集 第一巻(小説1[#「1」はローマ数字、1−13−21])」未来社
1967(昭和42)年6月20日第1刷発行
初出:「新小説」
1920(大正9)年12月
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:tatsuki
校正:松永正敏
2008年9月18日作成
2008年10月13日修正
青空文庫作成ファイル:
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