リーメーソン的結社であるとの説もあるが、実践としては、道院に於ける個人々々の修業と、会としての社会的救済事業とを立前とする。この会が、富有な上層階級の人々で成っていることは、注目を要するところであろう。
 この紅卍字会母院とよい対照をなして、呂純陽の廟というごく小さな堂が、※[#「足+勺」、353−上−9]突泉の隣りにある。民衆の信仰あつく、参詣の人は絶えず、廟前には小店が櫛比して、浅草の仲見世の観がある。面白いのは、或る時祈願の道士に呂純陽の姿が、顕現したということで、呂祖空中顕像という写真版が売られている。
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 北支の鉄道は華北交通会社の経営に属しているが、この鉄道については概念を改める必要があろう。
 現在、鉄道沿線の左右各十キロ内の村落は、鉄路愛護村として組織され、匪賊の襲来に対して村民が自警するようになっている。なお列車内や所々には、会社に属する一種の警備兵が配置されている。そしてこの愛護村に対しては、不足物資の配給や穀物種子の分配などが、会社の負担による安価でなされているし、其他種々の工作も行われている。即ちこの鉄道は、単なる交通運輸の機関のみでなく、また治安
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