る胎《はら》を据えた而も暗い気持になった。
彼を迎えた沢子は、何か気懸りなことがあるらしい妙に沈んだ様子だった。
「あれから何をしていらして?」と彼女は尋ねた。
「いろんなことがあったよ。」と答えて昌作は俄に云い直した。「が何にもしないで、ぼんやりしていた。例によって猫の生活さ。」
「そう。ずっと家にいらしたの。私あなたが昨日にでも来て下さるかと思って待ってたけれど、来て下さらないから、今日電話をかけたのよ。まあ……あなたは変な真蒼な顔をしてるわ。」
昌作はふいに拳《こぶし》で額を叩いた。
「少し頭痛がするだけだよ。感冒《かぜ》をひいたのかも知れない。……強い酒を飲ましてくれないか、いろんなのを三四杯。ごっちゃにやるんだ。感冒の神を追っ払うんだから。」
「そんなことをして大丈夫?」
心配そうに覗き込む彼女を無理に促して、彼はいろんな色の酒を三四杯持って来させ、煖炉の火を焚いて貰い、その前に肩をすぼめて蹲った。沢子も彼の横手に腰を下した。
「あなたは本当に家にぼんやりしていらしたの?」と彼女はまた尋ねた。
「そうさ。」
「あれからどんなことをお話なすったの、宮原さんと?」
「ああ、
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