つくんだからね。然し考えてみると、僕は昔の自分の罪から罰せられたようなものさ。そうだ、その罪の罰なんだ。そして、君がお母さんの子だということがいけなかったのだ。全く別の男なら、いくら達子と親しくしようと、僕はあんな馬鹿げた考えを起しはしない。然し君は、君のお母さんの子だ。それがいけないのだ。」
昌作はその言葉を胸の真中に受けた。今にも何か恐ろしい気持になりそうだった。然し彼はそれをじっと抑えて、唇を噛みしめた。すると、禎輔は突然荒々しい声で云った。
「君は怒らないのか。……怒ってみ給い。怒るのが当然だ。」
昌作は身を震わした。侮辱……というだけでは足りない或る大きな打撃を、禎輔の全体から受けたのである。そして、自分が今にも何を仕出かすか分らない恐れを感じた。彼はじっと、煖炉の瓦斯の火に眼を落して煙草を手にしてる禎輔の顔を、次にその眉の外れの小さな黒子《ほくろ》を見つめた。その時、禎輔は吸いさしの煙草を床に放りつけて、眼を挙げた。その眼は一杯涙ぐんでいた。
「佐伯君、」と禎輔は云った、「僕が何で君にこんな話をしたか、その訳を云おう。普通なら、この話は僕達三人に悪い影響を与えそうだ。三
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