は少しも排斥されていないことを、知っていた。誰かが火遊びをしたのではあるまいかと考える、その底には、本人にも火遊びの要素があるのだ。ひそかな下心というか、隙間というか、そんなものがあるのだ。
だから、志村は、にこやかな様子で、内心は傲然と反り返って、彼女等の間に立ち交っていた。――須賀邸の、老夫人の誕生日をかねた、ティー・パーティーの日である。
ティー・パーティーといっても、男たちにとっては、むしろカクテル・パーティーなのである。材料一式持ち込んできた或るバー・テンダーが、カクテルの腕を振っていた。懇意な人たちだけの集まりなので、遠慮なく飲むことが出来た。応接室の方では、中央の大卓を片寄せて、レコードでダンスをやってる若い人たちもいた。日本室の広間には、日本酒も出ていた。
薄雲もなく晴れ上った日で、縁側の硝子戸には明るい斜陽が射していた。だが、庭の芝生は霜枯れ、その向うの植込みには、常緑樹の葉が黒々と静まり返っていた。
長い縁側をちょっと折れ曲った広縁の片隅の、毛氈を敷いて小卓に籐椅子が据えてあるところで、志村は、今井房代夫人につかまってしまった。
彼女は太田夫人となにか話し
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