分のしたことは自分で分ってるつもりだなんて、よくも図々しく云えたものね。……あなたが涙ぐんでる所をみると、少しは良心もあるのでしょう。よく考えてごらんなさい。私はもうあなたみたいな人のことは知らないから、自分でこの始末をおつけなさるがいいわ。」
周平は黙っていた。
保子はまた云い続けた。
「あなたは自分で恐ろしいとは思わないんですか。他人の日記なんかは、たとい眼の前に出ていてもなかなか見られるものではないわよ。それを、留守中にこそこそ探すなんて、泥棒よりも悪いことよ。泥棒は何か或る品物を盗むきりだけれど、あなたは、他人の心の秘密を盗み取ろうとしてるのよ。私そんな陰険な心の人は大嫌い。……いつぞや、あなたは隆吉をそそのかして、吉川さんの写真を見ようとしたわね。あの時は何とも思わなかったけれど、今考えると、今度のことと全く同じ気持だったのでしょう。私思ってもぞっとする。あなたを側に置いとくことは、まるで探偵にでもつけられてるようなものだわ。」
周平は、頭の上から落ちかかってくる叱責の言葉を、一語々々味っていった。その苛辣な味に心を刺されることが、今は却って快かった。どうせ踏み蹂ってし
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