おれの手におえない。だがおれは正夫が好きなんだ。そしても一度その額に接吻してやった。
そこへ、山根さんが考えこみながらやってきた。南さんを寝かしてきたんだろう。彼女は床にはいったが、いつまでも眼をあいていた。夜通し何か考えこむつもりかも知れない。おれはばかばかしくなって、もう寝入ってる正夫のそばに、眠った。
底本:「豊島与志雄著作集 第三巻(小説3[#「3」はローマ数字、1−13−23])」未来社
1966(昭和41)年8月10日第1刷発行
初出:「中央公論」
1936(昭和11)年4月
入力:tatsuki
校正:門田裕志
2008年4月16日作成
青空文庫作成ファイル:
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