るい深い濃い霧の中を、ゆっくり歩いてゆきました。どこへ行くのか分りません。ただ、もう引返すことだけは出来ません。男くさい厭らしい穢ならしいところへは、断じて帰りません。堤防の上をかみてへかみてへと河を溯ってゆきました。
底本:「豊島与志雄著作集 第五巻(小説5[#「5」はローマ数字、1−13−25]・戯曲)」未来社
1966(昭和41)年11月15日第1刷発行
初出:「苦楽」
1949(昭和24)年6月
入力:tatsuki
校正:門田裕志、小林繁雄
2006年9月20日作成
青空文庫作成ファイル:
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