蘇生
豊島与志雄
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)象《すがた》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「足へん+宛」、第3水準1−92−36]
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人物
高木敬助………二十四歳、大学生
中西省吾………二十五歳、大学生、敬助と同居人
山根慶子………二十一歳、敬助の自殺せる恋人
同 秋子………十八歳、慶子の妹
村田八重子………二十一歳、慶子の親友、省吾と許婚の女
其他――老婆(六十三歳、敬助と省吾との召使)、看護婦、医師、高橋及び斎藤(敬助の友人)、幻の人物数人
[#ここで字下げ終わり]
深い水底に沈んだ様な感じだった。何の音も聞えず、何の象《すがた》も見えなかった。ただ盲いた一種の快さが深く湛えていた。と、何処からともなく明るみが差込んできた。その明るみが彼を上へ上へと引上げようとした。然し彼の後頭部は鉛で出来ているかの様に重かった。そして上へ引上げようとする明るみの力と、下へ沈ませようとす
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