た。宝石のついた見事な服を持ち出す者がありました。らくだの子の胸毛で織ったシャツを持ち出す者がありました。
 そしてハムーチャは、前と同じように身につけてるものをみな煙にしてしまいました。三角の帽子は禿鷹《はげたか》の形の煙となって消えました。赤と白とのだんだらの服は大蛇《だいじゃ》の形の煙となって消えました。汚れた麻《あさ》のシャツはなめくじの形の煙となって消えました。ハムーチャはまっ裸となって、立派な衣装の重《かさ》ねてある側に立っていました。
 そこへ十五六歳の娘が一人、肩から胸まで現わにして飛び出しました。金色の髪がふさふさと肩に垂れ、海のように青い眼をし、薔薇《ばら》色の頬《ほほ》をして、肌は大理石のように滑《なめ》らかでまっ白でした。
 娘は言いました。
「私はこの身体《からだ》をあなたに上げましょう。そうすれば、あなたの年とったしわだらけの身体は不用になるでしょうから、それを煙にしてみせてください」
「なるほど」とハムーチャはしばらく考えてから答えました、「あなたの美しい身体をもらえば、私の汚ない身体はもういらなくなるわけだ」
 そこで彼は、胸に両手を組み合わせ、口に何や
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