途を辿り、反逆闘争の歩みを続けねばならないだろう。そしてそういう文学を背負い込む宿命を甘受する文学者に、私は同感と敬意とをこめた握手の手を差出す。
 さて、この文章は、文壇への提議として書くことを求められたものであり、恐らく何か一つの具体的な発言を期待されたものであろう。私はそれを直接になさず、裏側からの概括的な発言をしてしまった。言いたいことが多すぎたせいもある。だが、要するに評論や感想というものはどうも変梃だ。如何にして小説的表現を多分に取り入れるかが、懸案である。



底本:「豊島与志雄著作集 第六巻(随筆・評論・他)」未来社
   1967(昭和42)年11月10日第1刷発行
入力:tatsuki
校正:門田裕志
2006年4月27日作成
青空文庫作成ファイル:
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