麗だわよ。」
なよなよした身体付をして、舌ったるい口を利いて、家に来ても一日火鉢にばかりかじりついてるその姉を、私は何だか好きだった。母のような気持さえした。
その姉に教えられたことが私は嬉しかった。そして、どうにか太陽の黒点らしいものを見ることが出来た。
然し、それから間もなく、私の悲惨な放浪生活が初ったのである。
底本:「豊島与志雄著作集 第二巻(小説2[#「2」はローマ数字、1−13−22])」未来社
1965(昭和40)年12月15日第1刷発行
初出:「新潮」
1926(大正15)年3月
入力:tatsuki
校正:門田裕志、小林繁雄
2008年10月27日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
前へ 終わり
全64ページ中64ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
豊島 与志雄 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング