連《だいれん》の松本さんや一郎のことがなつかしく思いだされるのでした。チヨ子にもその気持ちがよくわかりました。
「ねえ、帰っていっちゃ、いけませんよ」
太郎はふり向いて、微笑《ほほえ》んで、チヨ子の手を握りしめました。
「そうだ、不思議な地図があったろう、あれを便りに、この国を立派なものにしていこうよ」
「ええ、立派な国にしましょう。そして、チロの国と名をつけましょうよ」
ふたりは一緒に金目銀目《きんめぎんめ》のチロを抱きかかえて、かたく握手をしました。
底本:「豊島与志雄童話集」海鳥社
1990(平成2)年11月27日第1刷発行
入力:kompass
校正:門田裕志、小林繁雄
2006年4月28日作成
青空文庫作成ファイル:
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