よ。そいつが、しじゅう僕をつけねらってるんだ。助けておくれよ」
トニイはなおしっかと紳士の胸にしがみつきました。
一同は困ったようでした。何かひそひそささやきあいました。紳士はいいました。
「じゃあ、今夜はおれのところに泊めてやろう。そして明日の朝おくっていってやるよ」
「ああそうしてね。おじさんのそばなら大丈夫だ」
一同は自動車のなかの大きな箱をかかえて、鉄の戸から中へはいりました。階段があって、それをおりていくと、地下室の広間でした。
大きなテーブルがならんでおり、ぜいたくな椅子《いす》がならんでいました。テーブルの上には、酒瓶《さかびん》やコップやトランプの札などがちらかっていて、壁には銃や剣などの武器がかかっていました。
次の部屋にはいくつもベッドがならんでいました。まるで寄宿舎のようでした。トニイはすぐそこに寝かされました。
広間の方では、さっきの男たちが、酒をのんだり、トランプをしたりして、おそくまで起きていました。
トニイはわーっと大きな声で叫び立てました。奇術《きじゅつ》の紳士がはいってきました。
「どうしたんだ」
「おじさん、ついててくれなくちゃいやだよ
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