チアか?……彼の心も頭も非常に弱っていた。彼はもう自分の愛する人たちの間の見分けもつかなかった。見分けてどうしょう? 彼は彼らを皆一様に愛していた。
圧倒してくる一種の法悦のうちに、彼はじっと縛られたようになっていた。身を動かしたくなかった。あたかも猫《ねこ》が鼠《ねずみ》をねらいすますように、苦痛が待ち伏せて窺《うかが》ってることを、知っていた。彼は死人のようにしていた。すでにもう……。室の中にはだれもいなかった。頭の上のピアノの音もやんでいた。静寂……沈黙……。クリストフは溜《た》め息をついた。
「生涯《しょうがい》の終わりに及んで、かつて孤独なことがなかったと、もっとも一人ぽっちのときにも孤独ではなかったと、みずから考えるのはなんといいことだろう!……私が生涯の途上で出会った魂たちよ、一時私に手をかしてくれた同胞たちよ、私の思想から咲き出た神秘な精神たちよ、死者や生者よ――否すべて生者たちよ――おう、私が愛したすべてのものよ、私が創造したすべてのものよ! 君たちは温かい抱擁で私を取り巻いてくれ、私を見守っていてくれる。私には君たちの声の音楽が聞こえる。私へ君たちを授けてくれた運
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