してきた。僕は年とった梟《ふくろう》なんだ。」

 そのころ、クリストフの友人らは彼の様子にある変化が起こったことを認めた。彼はしばしば放心した者のようにぼんやりしていた。人の言葉をよく聞いてはいなかった。何かに気をとられたようなふうをして微笑《ほほえ》んでいた。そのぼんやりしてることを人に注意されると、やさしく謝《あやま》るのだった。また時とすると自分のことを三人称で話した。
「クラフトがそれをしてあげよう……。」
 あるいは……
「クリストフが笑うだろう……。」
 彼をよく知らない人たちは言った。
「なんという自己心酔だろう!」
 でもそれはまったく反対だった。彼は自分をあたかも他人のように外部から見てるのだった。彼はちょうど、美《うる》わしいもののためになす戦いにまでも興ざめてしまう時期に達していた。人は自分の仕事を果たしてしまうと、こんどは他人がその仕事を完成してくれるだろうと思いたがるものであり、結局はロダンが言ったように、「常に美が最後の勝利を得るのであろう[#「常に美が最後の勝利を得るのであろう」に傍点]」と思いたがるものである。悪意も不正も、もうクリストフをいらだたせな
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